
「最近、胃腸の調子が…」
「むくみがひどくて…」
それ、もしかしたら”水”の巡りが原因かも?
漢方で「健脾利水(けんぴりすい)」の要薬とされる白朮(ビャクジュツ)は、そんな悩みを解決する救世主!
実は、美肌や疲労回復にも効果的って知ってました?
この記事では、白朮の驚くべきパワーから、漢方薬、サプリ、お茶としての活用法、注意点まで、徹底解説!
あなたも白朮で、体の中からスッキリ&キレイになりませんか?
はじめに:白朮(ビャクジュツ)とは? – 漢方の世界で重宝される生薬の基本情報





白朮(ビャクジュツ)って、名前は聞いたことあるけど、どんなもの?
漢方薬に使われるの? 蒼朮(ソウジュツ)とは違うの…?
白朮(ビャクジュツ)は、漢方医学において、古くから「気」を補い、消化機能を高め、余分な水分を排出する生薬として、様々な処方に用いられてきました。
特に、胃腸の働きが弱く、疲れやすい、むくみやすいといった現代人に多い悩みに寄り添う生薬として、近年再び注目を集めています。
白朮(ビャクジュツ)はどんな植物?





白朮って、どんな植物なの? どこに生えているの? 日本にもある?
どんな姿をしているんだろう…?
白朮は、キク科オケラ属 (Atractylodes japonica) またはオオバナオケラ (Atractylodes macrocephala) の根茎を乾燥させた生薬です。
- 植物学的情報
- 学名:
- Atractylodes japonica Koidz. ex Kitam. (和白朮、日本産)
- Atractylodes macrocephala Koidz. (唐白朮、中国産)
- 科名: キク科 (Asteraceae)
- 属名: オケラ属 (Atractylodes)
- 生育地:
- 日本: 本州、四国、九州の山地や丘陵地帯に自生。(和白朮)
- かつては薬用として栽培もされていましたが、現在では野生のものは希少。
- 中国: 浙江省、安徽省、湖南省などが主要産地。(唐白朮)
- 大規模な栽培が行われています。
- 日本: 本州、四国、九州の山地や丘陵地帯に自生。(和白朮)
- 植物としての特徴:
- 多年草: 一度植えると、数年以上にわたって生育します。
- 草丈: 30〜60cm ほど。
- 葉: 互生(互い違いに生える)、深く切れ込みが入った特徴的な形。
- 花: 8月〜10月頃、茎の先端に白色または淡紅色の頭花(キク科特有の、小さな花が集まったもの)を咲かせます。
- 根茎: 肥厚した根茎(地下茎)が、薬用として利用されます。
- 形状: 不規則な塊状で、ゴツゴツしている。
- 外観: 表面は灰褐色〜灰黄褐色。
- 断面: 白色〜淡黄白色で、特有の芳香がある。(精油成分による)
- 学名:
白朮(ビャクジュツ)と蒼朮(ソウジュツ)の違い



白朮と蒼朮って、名前が似ているけど、何が違うの? 同じもの? 使い分けは?
白朮とよく似た生薬に、蒼朮(ソウジュツ)があります。どちらもキク科の植物の根茎を乾燥させたもので、漢方では区別して用いられます。
項目 | 白朮 (ビャクジュツ) | 蒼朮 (ソウジュツ) |
---|---|---|
原植物 | Atractylodes japonica (和白朮)<br> Atractylodes macrocephala (唐白朮) | Atractylodes lancea (ホソバオケラ)<br> Atractylodes chinensis (シナオケラ) |
性味 | 甘・苦、温 | 辛・苦、温 |
主な働き | 健脾益気(けんぴえっき): 胃腸の働きを高め、「気」を補う。<br> 燥湿利水(そうしつりすい): 体内の余分な水分を取り除く。(穏やか) | 燥湿健脾(そうしつけんぴ): 体内の余分な水分を取り除き、胃腸の働きを高める。<br> 発汗解表(はっかんげひょう): 発汗を促し、体表の邪気(風寒湿など)を追い払う。<br> 明目(めいもく): 視力を改善する。 |
応用 | 消化不良、食欲不振、胃もたれ、下痢、軟便、むくみ、倦怠感、疲労感など、脾気虚(ひききょ)(胃腸の機能低下)による症状に。 | 消化不良、食欲不振、胃もたれ、下痢、嘔吐、むくみ、関節痛、風邪の初期症状、夜盲症など、湿邪(しつじゃ)(体内の余分な水分)が原因の症状、または風寒湿邪(ふうかんしつじゃ)(風・寒さ・湿気による邪気)による症状に。 |
特徴 | 作用が穏やかで、補益作用(滋養強壮作用)が強い。 | 作用が比較的強く、発散作用(体内の不要なものを外に出す作用)が強い。 |
禁忌 | 陰虚(体内の水分や潤いが不足している状態)で、のぼせやほてりなどの熱症状がある場合は、慎重に使用する。 | 陰虚、多汗、気虚(気が不足している状態)の場合は、慎重に使用する。 |
- 【覚え方のポイント】
- 白朮: 「白」は、穏やか、補うイメージ。「朮」は、土に通じる → 胃腸(土)を補う
- 蒼朮: 「蒼」は、青々とした、発散するイメージ。「朮」は、土に通じる → 湿気を発散させ、胃腸を整える
白朮(ビャクジュツ)の歴史と漢方での位置づけ



白朮って、いつから漢方に使われているの?どんなふうに使われてきたの?昔の人も、胃腸の悩みがあったのかな…?
白朮は、中国最古の薬物書「神農本草経」(紀元前後に成立)に「朮(ジュツ)」として収載されており、2000年以上の歴史を持つ、非常に重要な生薬です。
- 中国伝統医学(中医学)での位置づけ:
- 中品(ちゅうほん): 「神農本草経」では、薬物を上薬・中薬・下薬の3つに分類しており、白朮は中薬に分類されています。
- 中薬: 養生(健康維持)を目的とし、体質改善や病気の予防に用いられる薬。毒性があるものもあるため、使用には注意が必要。
- ※現代の漢方では、白朮は比較的安全性が高い生薬と考えられており、長期間使用されることもあります。
- 帰経(きけい): 脾、胃
- 帰経: その生薬が、どの臓腑・経絡に作用するかを示したもの。
- 脾: 消化吸収、水分代謝、気血の生成に関わる重要な臓腑。
- 胃: 飲食物の受け入れ、消化の初期段階を担う臓腑。
- 白朮は、主に脾胃(消化器系)に作用し、その働きを助けると考えられています。
- 主な働き:
- 健脾益気(けんぴえっき): 脾(消化器系)の機能を高め、気(エネルギー)を補う。
- 脾気虚(ひききょ): 消化機能が低下し、気が不足した状態。食欲不振、胃もたれ、下痢、軟便、倦怠感、疲労感などの症状が現れる。
- 白朮は、脾の働きを助け、これらの症状を改善します。
- 燥湿利水(そうしつりすい): 体内の余分な水分(湿邪)を取り除く。
- 湿邪: 体内の水分代謝が滞り、余分な水分が溜まった状態。むくみ、めまい、頭重、関節痛、下痢などの原因となる。
- 白朮は、脾の働きを高めて水分代謝を改善し、これらの症状を緩和します。
- 止汗(しかん): 汗を止める。
- 特に、脾気虚による自汗(じかん:安静時にも出る汗)に効果的。
- 安胎(あんたい): 胎児を安定させる。
- 妊娠中のむくみ、つわり(悪阻)などに用いられることもあります。(ただし、専門家の指示が必要)
- 健脾益気(けんぴえっき): 脾(消化器系)の機能を高め、気(エネルギー)を補う。
- 中品(ちゅうほん): 「神農本草経」では、薬物を上薬・中薬・下薬の3つに分類しており、白朮は中薬に分類されています。
白朮(ビャクジュツ)が現代人に注目される理由



昔からある白朮が、なぜ今、注目されているの?現代人のどんな悩みに良いの?
白朮は、現代人特有の様々な不調に効果が期待できることから、近年、再び注目を集めています。
- 現代人のライフスタイルと白朮:
- ストレス社会: ストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、胃腸の働きを低下させます。白朮は、健脾作用により、ストレスによる胃腸の不調を改善する効果が期待できます。
- 食生活の乱れ: 不規則な食事、偏食、過食、冷たいものや甘いものの摂りすぎなどは、胃腸に負担をかけ、消化不良やむくみの原因となります。白朮は、消化機能を高め、水分代謝を改善することで、これらの問題をサポートします。
- 運動不足: 運動不足は、全身の血行不良や代謝の低下を招き、むくみや冷えの原因となります。白朮は、補気作用により、代謝を促進し、これらの症状を緩和する効果が期待できます。
- 加齢: 加齢とともに、胃腸の機能は低下し、様々な不調が現れやすくなります。白朮は、健脾益気作用により、加齢による胃腸の衰えをサポートし、健康維持に役立ちます。
- 美容への意識の高まり:
- 白朮は、胃腸の働きを整え、水分代謝を改善することで、むくみやくすみを解消し、美肌効果も期待できます。
- 「体の内側からキレイになる」という考え方が広まり、白朮のような生薬の力が再評価されています。
漢方薬「白朮(ビャクジュツ)」に期待される効果・効能





白朮って、具体的にどんな効果があるの?私にも嬉しいことがある?どんな悩みに良いの?本当に効くの…?もっと詳しく知りたい!
古くから漢方で重宝されてきた白朮には、現代人の様々な悩みに寄り添う、素晴らしい効果・効能が期待されています。
特に、胃腸の不調や水分代謝の乱れに悩む方には、ぜひ知っていただきたい生薬です。
ここでは、白朮の主な効果・効能について、漢方的な解釈と現代医学的な視点の両面から、詳しく解説します。
胃腸の働きを整える(消化促進、食欲不振、胃もたれ、下痢など)



最近、胃腸の調子が悪い…。食欲もないし、胃もたれしやすい。下痢や便秘も繰り返す…。白朮で、スッキリ元気な胃腸になれる?
白朮は、まさに「胃腸の守り神」!弱った胃腸を優しくいたわり、本来の働きを取り戻すサポートをしてくれます。
- 漢方的な考え方:
- 健脾益気(けんぴえっき): 脾(消化器系)の働きを高め、気(エネルギー)を補う。
- 脾気虚(ひききょ): 消化機能が低下し、気が不足した状態。食欲不振、胃もたれ、消化不良、下痢、軟便、倦怠感、疲労感などの症状が現れる。
- 白朮は、弱った脾の働きを助け、消化吸収能力を高め、これらの症状を改善します。
- 燥湿健脾(そうしつけんぴ): 体内の余分な水分(湿邪)を取り除き、脾の働きを正常化する。
- 湿邪: 消化機能が低下すると、体内に余分な水分が溜まりやすくなり(湿邪)、様々な不調の原因となります。
- 白朮は、脾の働きを邪魔する湿邪を取り除くことで、消化機能を改善します。
- 健脾益気(けんぴえっき): 脾(消化器系)の働きを高め、気(エネルギー)を補う。
- 具体的な効果:
- 消化促進: 消化酵素の分泌を促進し、食べ物の消化吸収を助ける。
- 食欲不振の改善: 胃腸の働きを整え、食欲を増進させる。
- 胃もたれの解消: 胃の運動を活発にし、食べ物の停滞を防ぐ。
- 下痢・軟便の改善: 腸の蠕動運動を調整し、下痢や軟便を改善する。
- 特に、慢性的な下痢、水様性の下痢に効果的。
- 便秘の改善: 腸の働きを整え、水分代謝を改善することで、便秘の解消にも役立つ。(※便秘の種類によっては、他の生薬との併用が必要な場合もあります。)
- その他: 吐き気、嘔吐、腹部膨満感、腹痛などの改善にも。
水分代謝を改善する(むくみ、めまいなど)



夕方になると足がパンパン…。朝起きたら顔がむくんでいる…。めまいや立ちくらみもする…。白朮で、余分な水分をスッキリ排出できる?
白朮は、「水」の巡りを整える名人!体内の余分な水分を排出し、むくみやめまいなどの不快な症状を改善します。
- 漢方的な考え方:
- 利水渗湿(りすいしんしつ): 尿の出を良くして、体内の余分な水分(湿邪)を排出する。
- 湿邪: 水分代謝が滞り、体内に余分な水分が溜まった状態。むくみ、めまい、頭重、関節痛、下痢、おりものなどの原因となる。
- 白朮は、脾の働きを高めて水分代謝を改善し、これらの症状を緩和します。
- 利水渗湿(りすいしんしつ): 尿の出を良くして、体内の余分な水分(湿邪)を排出する。
- 具体的な効果:
- むくみの改善:
- 全身のむくみ、特に下半身(足、足首など)のむくみに効果的。
- 利尿作用により、余分な水分を尿として排出。
- めまいの改善:
- 内耳のむくみ(内リンパ水腫)によるめまい(メニエール病など)に効果が期待できる。
- 水分代謝を改善し、内耳のむくみを解消。
- その他:
- 立ちくらみ、頭重感、関節痛、下痢、おりもの、排尿困難などの改善にも。
- むくみの改善:
その他の効果(免疫力向上、美肌効果、疲労回復など)



白朮って、胃腸と水分代謝だけじゃないの?他にも何か良い効果があるなら知りたい!
白朮は、胃腸の働きを整え、水分代謝を改善するだけでなく、私たちの体全体をサポートする、様々な働きを持っています。
- 免疫力向上:
- 白朮には、免疫細胞(マクロファージ、NK細胞など)を活性化し、免疫力を高める働きがあることが報告されています。
- 風邪や感染症にかかりにくい体づくりをサポートします。
- 美肌効果:
- 胃腸の調子を整える: 胃腸の調子が良くなることで、栄養の吸収が促進され、肌に栄養が行き渡りやすくなります。
- 水分代謝を改善: むくみが解消され、顔色が明るくなり、透明感のある肌へ。
- 抗酸化作用: 白朮に含まれる成分には、活性酸素を除去する抗酸化作用があり、肌の老化を防ぎ、シミ、シワ、たるみを予防する効果が期待できます。
- 疲労回復:
- 補気作用: 気(エネルギー)を補い、全身の機能を高めることで、疲労回復を促します。
- 消化吸収促進: 消化吸収を助け、栄養を効率よくエネルギーに変えることで、疲れにくい体づくりをサポートします。
- その他:
- 血糖降下作用: 血糖値を下げる働きがあることが報告されています。(※糖尿病治療薬との併用には注意が必要です。)
- 抗炎症作用: 体内の炎症を抑える働きがあります。
- 抗腫瘍作用: がん細胞の増殖を抑制する働きがあるという研究報告もあります。(※今後のさらなる研究に期待)
※科学的根拠(エビデンス)に基づいた情報を記載
白朮の効果については、伝統医学的な知見だけでなく、現代科学においても様々な研究が行われ、その効果が裏付けられつつあります。
- 研究例:
- 白朮の成分であるアトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIIIに、胃排出能促進作用、腸管輸送能抑制作用があることが報告されています。
- 参考文献: Yakugaku Zasshi. 2003 Oct;123(10):915-20.
- 白朮の多糖類に、免疫増強作用があることが報告されています。
- 参考文献: J Ethnopharmacol. 2004 Nov;95(2-3):281-6.
- 六君子湯、補中益気湯など、白朮を含む漢方薬の臨床試験も行われており、消化器症状の改善、免疫力向上、疲労回復などに対する効果が報告されています。
- 参考文献: 日本東洋医学会 EBM 委員会. 漢方治療エビデンスレポート
- 白朮の成分であるアトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIIIに、胃排出能促進作用、腸管輸送能抑制作用があることが報告されています。
- 情報源:
- PubMedなどの学術論文データベース
- 国立健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報
- 厚生労働省:eJIM(日本統合医療学会)
【注意点】
- 研究結果はまだ限られており、さらなる研究が必要です。
- 効果には個人差があります。
- ここに記載した効果・効能は、伝統医学に基づいて期待されるもの、および、研究途上のものであり、日本の薬機法で認められているものではありません。
- 特定の疾患に対する治療効果を保証するものではありません。
- 持病がある方、妊娠中・授乳中の方、医薬品を服用中の方は、必ず医師や薬剤師に相談の上、使用してください。
漢方薬「白朮(ビャクジュツ)」のさまざまな取り入れ方





白朮って、どうやって取り入れたらいいの?漢方薬はハードルが高いし、他に方法はないの…?もっと身近に感じたい!
白朮は、漢方薬としてだけでなく、食品やサプリメントなど、様々な形であなたのライフスタイルに取り入れることができます。
「漢方薬はちょっと…」という方や、「もっと手軽に白朮を試してみたい!」という方も、ご安心ください。
ここでは、あなたにぴったりの白朮の取り入れ方を見つけるお手伝いをします!
漢方薬としての白朮(ビャクジュツ)



漢方薬って、種類がたくさんあって、どれを選べばいいか分からない…。私に合う漢方薬はあるの?そもそも、漢方薬局って入りにくい…
白朮は、多くの漢方薬に配合されている重要な生薬です。
その優れた健脾益気、燥湿利水作用から、様々な処方で活用され、胃腸の不調や水分代謝の乱れ、虚弱体質の改善などに役立ってきました。
あなたの体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、より効果的に白朮の力を実感できます。
代表的な漢方処方(六君子湯、補中益気湯、人参養栄湯など)
漢方薬名 | 構成生薬(一部) | 主な働き | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|
六君子湯 | 白朮、人参、茯苓、半夏、陳皮、甘草、生姜、大棗 | 脾胃気虚(胃腸の機能低下)を改善。健脾益気、和胃降逆(わいこうぎゃく)(胃の働きを整え、吐き気などを抑える)。 | 胃腸が弱い、食欲不振、胃もたれ、吐き気、嘔吐、軟便、下痢、全身倦怠感、疲労感、顔色が悪いなどがある方。 |
補中益気湯 | 白朮、黄耆、人参、当帰、陳皮、柴胡、升麻、甘草、生姜、大棗 | 脾胃気虚、気虚下陥(気が不足して、内臓が下垂する状態)を改善。補中益気(胃腸の働きを高め、気を補う)、昇陽挙陥(しょうようきょかん)(気を持ち上げ、内臓下垂を改善する)。 | 疲れやすい、倦怠感、食欲不振、胃下垂、脱肛、子宮下垂、多汗、息切れ、風邪をひきやすいなどがある方。病後の体力回復にも。 |
人参養栄湯 | 白朮、人参、当帰、芍薬、桂皮、黄耆、陳皮、遠志、茯苓、五味子、甘草、地黄、生姜、大棗 | 気血両虚(気と血の両方が不足した状態)を改善。益気補血、養心安神(ようしんあんじん)(心(精神)を養い、精神を安定させる)。 | 疲労倦怠感、食欲不振、動悸、息切れ、不眠、不安感、脱毛、皮膚の乾燥、顔色が悪い、手足のしびれなどがある方。病後、手術後、産後などの体力回復にも。 |
その他 | 上記以外にも、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、胃苓湯(いれいとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)など、白朮を含む漢方薬は多数あります。 |
漢方薬を選ぶ上での注意点(専門家への相談)
- ❌ 自己判断は絶対にNG! ❌
- 漢方薬は、体質や症状(証)に合わせて選ぶ必要があります。「証」とは、漢方独自の体質・体調の診断方法で、同じ症状でも人によって「証」が異なるため、適切な漢方薬も異なります。
- 自己判断で選ぶと、効果がないばかりか、体調を悪化させる可能性もあります。最悪の場合、副作用が出ることも。
- 👩⚕️ 必ず専門家に相談しましょう! 👨⚕️
- 漢方医や漢方薬局の薬剤師に相談し、あなたの体質や症状に合った漢方薬を選んでもらいましょう。
- 漢方医: 漢方医学の専門知識を持つ医師。
- 漢方薬局の薬剤師: 漢方薬の専門知識を持つ薬剤師。
- 専門家は、問診(詳しい聞き取り)や舌診(舌の状態を見る)、脈診(脈の状態を見る)などを行い、あなたの「証」を見極め、最適な漢方薬を処方してくれます。
- 問診: 現在の症状、過去の病歴、体質、生活習慣などを詳しく聞きます。
- 舌診: 舌の色、形、苔の状態などを見て、体の状態を判断します。
- 脈診: 脈の強さ、速さ、深さなどを見て、体の状態を判断します。
- 漢方医や漢方薬局の薬剤師に相談し、あなたの体質や症状に合った漢方薬を選んでもらいましょう。
- 👍 継続が大切! 👍
- 漢方薬は、西洋薬のようにすぐに効果が現れるものではありません。体質を改善し、体のバランスを整えることで、徐々に効果を発揮します。
- 効果を実感するまでには、ある程度の時間(数週間~数か月、場合によってはそれ以上)がかかることがあります。
- 焦らず、じっくりと継続することが大切です。症状が改善しても、自己判断で中止せず、専門家の指示に従いましょう。
食品・食材としての白朮(ビャクジュツ)



白朮って、食べられるの?どんな味がするの?どうやって料理に使うの?美味しいの?毎日続けられる?
白朮は、食品としても利用できます。ほんのりとした甘みと苦味、そして独特の香りがあり、薬膳料理の材料として使われます。
「薬膳って難しそう…」と思っている方も、大丈夫!
いつもの食事にプラスするだけで、手軽に美味しく、白朮の健康効果を取り入れることができます。
白朮(ビャクジュツ)を使ったレシピ(薬膳料理など)
- 白朮の下処理:
- 乾燥白朮は、水で戻してから使用します。(30分〜1時間)
- 硬い場合は、すりおろしたり、細かく刻んだりすると使いやすくなります。
- 独特の香りが気になる場合は、水にさらす時間を長くするか、下茹でしてから使いましょう。
- 薬膳スープ:
- 効果: 胃腸の働きを整える、消化促進、食欲増進、疲労回復、免疫力アップ、むくみ改善など
- 材料例: 白朮(水で戻して薄切り)、鶏肉(手羽先、もも肉など)、人参、生姜、クコの実、ナツメ、ネギ、塩、水
- プラスワン食材: 茯苓、甘草、山芋、蓮の実など、体質や目的に合わせて
- 白朮の量: 1人あたり3〜5g程度(乾燥重量)
- 作り方(例):
- 鶏肉は食べやすい大きさに切る。
- 生姜は薄切り、ネギは斜め切りにする。
- 鍋に水、鶏肉、生姜、白朮、その他の材料を入れ、火にかける。
- 沸騰したらアクを取り、弱火にして30分〜1時間ほど煮込む。(食材が柔らかくなるまで)
- 塩で味を調えたら完成。
- ポイント: 鶏肉は、消化しやすく、薬膳で「補気(気を補う)」とされる食材です。他の薬膳食材も加えることで、相乗効果が期待できます。
- 薬膳粥:
- 効果: 胃腸に優しい、消化促進、食欲不振の改善、疲労回復、免疫力アップなど
- 材料例: 米、水、白朮(水で戻してみじん切り)、塩(お好みで)
- プラスワン食材: 鶏肉、干し椎茸、クコの実、ナツメ、松の実、生姜など
- 白朮の量: 米1合に対して、白朮3〜5g程度(乾燥重量)
- 作り方(例):
- 米を研ぎ、水と一緒に鍋に入れる。
- 白朮を加え、火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、米が柔らかくなるまで煮込む。(40分〜1時間)
- 塩(またはお好みの具材)を加えて、味を調える。
- ポイント: 白朮は、米と一緒に最初から煮込むことで、成分がしっかりと溶け出し、効果的です。
- その他:
- 白朮を細かく刻んで、炒め物や煮物に加えたり、お茶として煎じて飲むこともできます。
白朮茶の作り方、飲み方
白朮茶は、白朮を煎じて作る、手軽な健康茶です。
- 材料:
- 乾燥白朮:3〜5g
- 水:500ml〜600ml
- 作り方:
- 乾燥白朮を軽く水洗いする。
- 鍋に水と白朮を入れ、火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、15〜20分ほど煮出す。
- 茶こしでこして、温かいうちにいただく。
- 飲み方:
- 1日に1〜2回、食間(食事と食事の間)に飲むのがおすすめ。
- ほんのりとした甘みと苦味、独特の香りがあります。
- ハチミツやレモン、生姜などを加えても美味しくいただけます。
- 注意点:
- 妊娠中・授乳中の方、持病のある方は、医師に相談してから飲用しましょう。
- 体質に合わない場合は、飲用を中止しましょう。
漢方薬「白朮(ビャクジュツ)」の副作用と注意点





白朮って、体に良さそうだけど、副作用はないの?誰でも使って大丈夫…?注意することは?
白朮は、天然由来の生薬であり、比較的安全性が高いとされています。
しかし、体質や摂取量、服用期間によっては、副作用が現れる可能性もあります。
また、持病がある場合や、他の薬を服用している場合は、注意が必要です。ここでは、白朮の副作用と注意点について、詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、安全に、そして効果的に白朮を活用しましょう!
摂取する上での注意点(体質、持病など)



私はこういう体質だけど、白朮を摂っても大丈夫…?持病がある場合は?アレルギーは?
- ⚠️ 体質:
- 陰虚(いんきょ)体質の方:
- 体内の水分や潤いが不足している状態。(「陰」は、体の水分や栄養、潤いを表す)
- 白朮は、体内の余分な水分を排出する働きがあるため、陰虚の症状(口の渇き、喉の渇き、ほてり、のぼせ、寝汗、便秘など)を悪化させる可能性があります。
- 特に、生地黄や乾地黄ではなく、熟地黄と白朮を組み合わせた漢方薬(例:六味地黄丸に白朮を加えたもの)など、専門家の判断で使用することがあります。
- 気滞(きたい)体質の方:
- 気の流れが滞っている状態。(「気」は、生命エネルギー)
- 白朮は、気を補う働きがありますが、気の巡りが悪い状態で補気薬を使うと、かえって気の流れを滞らせ、症状を悪化させる可能性があります。
- 胸やけ、げっぷ、お腹の張り、ガスが多い、便秘などの症状がある方は、注意が必要です。
- その他:
- まれに、白朮に対してアレルギー反応を起こすことがあります。
- キク科の植物にアレルギーがある方は、注意が必要です。
- 陰虚(いんきょ)体質の方:
- 💊 持病:
- 糖尿病の方:
- 白朮には血糖降下作用があるという報告もありますが、糖尿病治療薬との併用は、低血糖を起こすリスクがあります。必ず医師に相談してください。
- 高血圧の方:
- 白朮には、血圧を上昇させる作用があるという報告もあります。高血圧治療薬を服用している場合は、必ず医師に相談してください。
- その他:
- 持病のある方は、必ず医師に相談してから摂取しましょう。自己判断での摂取は、思わぬ健康被害につながる可能性があります。
- 糖尿病の方:
過剰摂取のリスク



たくさん摂れば、効果も大きくなるの?早く元気になりたいから、たくさん飲んじゃおうかな…?
- 🙅♀️ 過剰摂取は厳禁! 🙅♀️
- 白朮は、体に良いものでも、摂りすぎると逆効果になることがあります。「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
- 消化不良:
- 白朮は、健脾作用がありますが、大量に摂取すると、かえって胃腸に負担がかかり、消化不良、胃もたれ、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを起こす可能性があります。
- その他の症状:
- のぼせ、ほてり、イライラ、頭痛、動悸などが起こる可能性もあります。
- ✅ 適量を守りましょう! ✅
- 白朮の摂取量は、製品によって異なります。必ず、製品に記載されている用法・用量を守りましょう。
- 漢方薬の場合は、専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師)の指示に従ってください。
- 「もっと効果を得たいから」「早く治したいから」と、自己判断で摂取量を増やすのは絶対にやめましょう。
妊娠中・授乳中の摂取について



妊娠中でも白朮を摂っていいの?赤ちゃんに影響はない…?授乳中は?体に良いなら、妊娠中でも続けたいけど…
- 🤰 妊娠中:
- 妊娠中の白朮の摂取については、専門家の間でも意見が分かれています。
- 注意が必要な理由:
- 白朮には、流産のリスクを高める可能性があるという報告もあります。(特に、妊娠初期)
- 漢方では、妊娠中は「気」が滞りやすいと考えられており、白朮の補気作用が、かえって気の流れを悪くする可能性も指摘されています。
- 一般的に、妊娠中は、安胎作用のある漢方薬(当帰芍薬散など)が用いられることもありますが、自己判断での摂取は避け、必ず医師に相談しましょう。
- 🤱 授乳中:
- 母乳への影響については、明確なデータがありません。
- 注意が必要な理由:
- 白朮の成分が母乳に移行する可能性があります。
- 乳児が白朮に対してアレルギー反応を起こす可能性も否定できません。
- 白朮の作用により、乳児の体調に影響が出る可能性もあります。(例:消化不良、下痢など)
- 安全性を考慮し、医師に相談してから摂取しましょう。
医薬品との相互作用について



今飲んでいる薬と一緒に、白朮を摂っても大丈夫…?飲み合わせが悪い薬はある?薬の効果が変わったりしない…?
- 💊 医薬品との飲み合わせに注意! 💊
- 白朮は、特定の医薬品と相互作用を起こす可能性があります。
- 相互作用: 薬の効果を強めたり、弱めたり、副作用が出やすくなったりすること。
- 糖尿病治療薬:
- 白朮には血糖降下作用があるため、併用すると低血糖を起こすリスクがあります。
- 特に、インスリン注射やスルホニル尿素薬(SU薬)などを使用している場合は、注意が必要です。
- 血糖値の自己測定を行い、異常を感じたらすぐに医師に相談しましょう。
- 降圧剤:
- 白朮には血圧を上昇させる可能性があるため注意が必要
- その他:
- 利尿剤、抗凝固薬、免疫抑制剤など、他の医薬品との相互作用についても、注意が必要です。
- 漢方薬との併用:
- 漢方薬同士でも、組み合わせによっては副作用が起こることがあります。
- 自己判断で複数の漢方薬を併用するのは避け、必ず専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師)に相談しましょう。
- ✅ 服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談! ✅
- お薬手帳を持参し、現在服用中の薬をすべて伝えましょう。
- サプリメントや健康食品を摂取している場合も、伝えましょう。
漢方薬「白朮(ビャクジュツ)」に関するQ&A





白朮について、もっと詳しく知りたい!よくある質問をまとめて教えて!これで疑問はスッキリ!安心して使える!
ここでは、白朮に関するよくある質問とその回答を、専門的な観点も交えながらまとめました。
よくある質問とその回答
白朮と蒼朮、どう違うの?
白朮と蒼朮は、どちらもキク科の植物の根茎を乾燥させた生薬ですが、原植物や働きが異なります。白朮は、主に「気」を補い、胃腸の働きを高めるのに対し、蒼朮は、体内の余分な水分を取り除く作用が強く、発汗作用もあります。
白朮は、どんな味や香りがしますか?
白朮は、ほんのりとした甘みと苦味があり、独特の香りがあります。香りは、土のような、またはキノコのような香りと表現されることもあります。
白朮は、毎日摂っても大丈夫ですか?
食品として少量摂取する程度であれば、毎日摂っても問題ないと考えられます。ただし、漢方薬やサプリメントとして摂取する場合は、体質や症状に合わせて摂取量や期間を調整する必要がありますので、専門家にご相談ください。
白朮に副作用はありますか?
白朮は、比較的安全な生薬ですが、体質や摂取量によっては、副作用が現れる可能性があります。主な副作用としては、胃腸の不調(消化不良、胃もたれ、吐き気、下痢など)、のぼせ、ほてり、イライラ、頭痛、動悸、アレルギー反応(発疹、かゆみなど)などがあります。体調に異変を感じたら、すぐに摂取を中止し、医師に相談してください。
白朮を摂ると太りますか?
白朮には、直接的に体重を増加させる作用はありません。しかし、胃腸の働きが良くなることで、食欲が増進し、結果的に体重が増加する可能性はあります。また、むくみが改善されることで、一時的に体重が減少することもあります。
白朮は、子供や高齢者が摂ってもいいですか?
食品として少量であれば問題ない場合が多いですが、漢方薬としての服用や、継続的な摂取を検討する場合は、念の為、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。特に小さなお子様や、複数の薬を服用している高齢者の場合は、慎重に判断する必要があります。
まとめ:白朮(ビャクジュツ)で、健やかな体と美しい肌を手に入れよう!
✨ 胃腸からキレイを育む!白朮(ビャクジュツ)で、内側から輝く私へ ✨
白朮は、古くから漢方の世界で重宝されてきた、私たちの健康と美容をサポートする頼もしい生薬です。
- 白朮のココがすごい!
- 胃腸の働きを整える: 消化促進、食欲不振、胃もたれ、下痢などに!
- 水分代謝を改善: むくみ、めまい、立ちくらみに!
- 免疫力アップ: 風邪をひきにくい体づくりに!
- 美肌効果: 胃腸からキレイを育み、透明感のある肌へ!
- 疲労回復: 気を補い、疲れにくい体に!
- 取り入れ方イロイロ!
- 漢方薬: 専門家に相談して、自分に合ったものを!
- サプリメント: 手軽に始めたい方に!
- 食品: 薬膳料理や白朮茶で美味しく!
- 注意点もチェック!
- 体質や持病によっては、注意が必要な場合も。
- 過剰摂取はNG!
- 妊娠中・授乳中、医薬品との併用は医師に相談。
白朮は、あなたの体質や悩みに合わせて、様々な形で取り入れることができます。
ぜひ、あなたも白朮のパワーを味方につけて、健やかな体と美しい肌を手に入れ、内側から輝く毎日を送りましょう!