
「いつも疲れている」「冷えやすい」「イライラする」…
その不調、もしかしたら体質が原因かも? 漢方では、あなたの体質を「証」と呼び、証に合わせたケアで不調を改善します。
この記事では、8つの証を徹底解説! 簡単チェックリストであなたの証を診断し、タイプ別の特徴、改善策、おすすめの漢方薬、生活習慣までご紹介します。
自分の証を知り、漢方の知恵で、長年の不調から解放されましょう!



KANKAN専属アドバイザーのルナです。
漢方に精通した知見を惜しみなく皆さんにお伝えしていきますね!
はじめに:あなたの「証」は何? 漢方で体質改善の第一歩!





最近、体の不調が気になるけど、何科に行けばいいのか分からない…。漢方って、体質から改善できるって聞くけど、『証』って何? 私にも関係あるの?」
何となく不調が続く、病院に行くほどでもないけどスッキリしない…。 そんな悩みを抱えているなら、漢方の考え方を取り入れてみませんか?
漢方では、あなたの体質や状態を「証(しょう)」と呼び、この「証」を知ることが、体質改善の第一歩となります。
この記事では、漢方の「証」について分かりやすく解説し、あなたの「証」を見つけるお手伝いをします。
漢方における「証」とは? なぜ重要なのか?



漢方でよく聞く『証』って、具体的に何のこと? どうして『証』を知ることが大切なの?
「証」とは、漢方独自の診断基準で、その人の体質や病気の状態を総合的に判断したものです。
西洋医学の「病名」とは異なり、「証」は、同じ症状でも人によって異なる場合があります。
「証」の決まり方
漢方医は、以下の四診(ししん)と呼ばれる方法で、患者さんの状態を詳しく把握し、「証」を決定します。
- 望診(ぼうしん): 顔色、舌の状態、体格、皮膚の状態などを目で見て観察する。
- 聞診(ぶんしん): 声の調子、呼吸音、咳の状態などを聞き、体臭などを嗅いで確認する。
- 問診(もんしん): 症状、既往歴、生活習慣などを詳しく聞き取る。
- 切診(せっしん): 脈やお腹に触れて、状態を確認する。
なぜ「証」が重要なのか?
漢方薬は、同じ症状でも、患者さんの「証」によって選ぶべきものが異なります。 例えば、「冷え性」という症状でも、「証」が異なれば、以下のように処方が変わることがあります。
- 体力があり、冷えのぼせがある人(実証): 温める力が強い漢方薬は、のぼせを悪化させる可能性があるため、適さない。
- 体力がない、冷え性の人(虚証): 体を温める漢方薬が適している。
このように、「証」を無視して漢方薬を選ぶと、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。 だからこそ、「証」を知ることが、漢方治療において非常に重要なのです。
「証」を知るメリット:体質に合ったケアで不調を改善



自分の『証』を知ると、どんないいことがあるの? 具体的に教えて!
自分の「証」を知ることで、以下のようなメリットがあります。
- 自分に合った漢方薬を選べる:
- 体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、より効果的に不調を改善できる可能性が高まります。
- 体質に合った生活習慣が分かる:
- 食事、睡眠、運動など、自分の体質に合った生活習慣を取り入れることで、不調を予防し、体質改善を促進できます。
- 未病を防げる:
- 「証」は、病気になる前の「未病」の状態も表します。
- 自分の「証」を知り、早めに対策することで、病気を未然に防ぐことができます。
- 健康増進: *自分に合う漢方薬により体調が改善し、健康増進効果がある。
【5分でできる!】漢方 「証」 チェックリスト|あなたの体質を簡単診断





漢方で体質改善したいけど、自分の証ってどうやって見分けるの? 専門家に見てもらうのはハードルが高いし、まずは自分で簡単にチェックできる方法が知りたい!
漢方薬を選ぶ上で、自分の体質(証)を知ることはとても大切です。
でも、漢方薬局や漢方医に行くのは、ちょっと敷居が高いと感じる方もいるかもしれません。
そこで、この章では、ご自宅で簡単にできる「証」のセルフチェックリストをご用意しました!
5分でできる簡単な質問に答えるだけで、あなたの体質タイプが分かります。 ぜひ、試してみてください!
体質診断の重要性:自分に合った漢方を見つけるために



体質診断って、そんなに大事なの? 漢方薬って、症状に合わせて選ぶんじゃないの?
漢方では、同じ症状でも、体質(証)によって選ぶべき漢方薬が異なります。
例えば、「冷え性」という症状でも、
- 体力があり、冷えのぼせがある人(実証)
- 体力がない、冷え性の人(虚証)
では、適した漢方薬が異なります。 自分の体質に合わない漢方薬を選んでしまうと、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。 だからこそ、漢方薬を選ぶ前に、自分の体質(証)を把握することが重要なのです。
体質診断で分かること
- 自分に合った漢方薬の種類
- 体質に合った食事や生活習慣
- 注意すべき症状、病気
- 体質改善のポイント
簡単セルフチェックリスト(各証の質問項目をリスト形式で)



早くチェックリストを試したい! どんな質問に答えればいいの?
以下の質問に、「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答えてください。
「はい」の数が多い項目が、あなたの体質タイプに近いと考えられます。
【注意】 これはあくまで簡易的なチェックリストです。 正確な体質診断(証の決定)は、漢方専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)にご相談ください。
気虚(ききょ)証 チェックリスト
- [ ] 疲れやすい、だるい
- [ ] 元気が出ない、やる気が出ない
- [ ] 食欲がない、胃腸が弱い
- [ ] 風邪をひきやすい
- [ ] 汗をかきやすい
- [ ] 声が小さい、息切れしやすい
- [ ] 食後、眠くなる
- [ ] 立ちくらみしやすい
血虚(けっきょ)証 チェックリスト
- [ ] めまい、立ちくらみがある
- [ ] 顔色が悪い、血色がない
- [ ] 肌が乾燥しやすい
- [ ] 爪がもろい、割れやすい
- [ ] 髪がパサつく、抜け毛が多い
- [ ] 目が疲れやすい、かすむ
- [ ] 生理不順、経血量が少ない
- [ ] 動悸がする
陰虚(いんきょ)証 チェックリスト
- [ ] 手足がほてる、のぼせる
- [ ] 寝汗をかく
- [ ] 口や喉が渇きやすい
- [ ] 肌が乾燥しやすい
- [ ] 便秘がち
- [ ] 痩せ型
- [ ] イライラしやすい
- [ ] 熟睡できない
陽虚(ようきょ)証 チェックリスト
- [ ] 冷え性、寒がり
- [ ] 手足が冷たい
- [ ] 疲れやすい、だるい
- [ ] むくみやすい
- [ ] 下痢しやすい
- [ ] 頻尿、尿漏れ
- [ ] 風邪をひきやすい
- [ ] 食欲がない
気滞(きたい)証 チェックリスト
- [ ] イライラしやすい、怒りっぽい
- [ ] ストレスを感じやすい
- [ ] お腹が張る、ガスが溜まる
- [ ] ゲップやおならが多い
- [ ] 胸や脇が張る
- [ ] 生理前に不調が出やすい
- [ ] ため息が多い
瘀血(おけつ)証 チェックリスト
- [ ] 肩こり、頭痛がひどい
- [ ] 生理痛が重い、経血にレバー状のかたまりが混じる
- [ ] シミ、くすみ、クマができやすい
- [ ] あざができやすい
- [ ] 手足の先が冷える
- [ ] 舌の色が暗い、紫がかっている
- [ ] 皮膚が乾燥して、カサカサ、ザラザラしている
痰湿(たんしつ)証 チェックリスト
- [ ] 体が重だるい
- [ ] むくみやすい
- [ ] 痰が多い
- [ ] 鼻水、鼻づまり
- [ ] 雨の日に体調が悪くなる
- [ ] 吐き気、食欲不振
- [ ] 下痢しやすい
- [ ] 肥満傾向
湿熱(しつねつ)証 チェックリスト
- [ ] 体に熱がこもりやすい
- [ ] 口が苦い、粘る
- [ ] 汗をかくとベタベタする
- [ ] ニキビ、吹き出物ができやすい
- [ ] おりものが多い、臭いが気になる
- [ ] 尿の色が濃い、臭いが強い
- [ ] 便秘がち、または下痢しやすい
- [ ] イライラしやすい
診断結果:あなたの証はどれ?(各証へのリンク)
「チェックリストの結果が出たけど、この後どうすればいいの?」
「はい」の数が最も多かったタイプが、あなたの体質に近いと考えられます。
ただし、複数のタイプに当てはまる場合や、判断が難しい場合もあります。 より詳しく自分の体質を知りたい方は、漢方専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)にご相談ください。
各証へのリンク
- 気虚証
- 血虚証
- 陰虚証
- 陽虚証
- 気滞証
- 瘀血証
- 痰湿証
- 湿熱証
【漢方の証 一覧】8つのタイプ別特徴と改善のヒント





漢方の『証』って、たくさん種類があるけど、具体的にどんなものがあるの? それぞれの特徴や、どうすれば改善できるのか知りたい!
漢方では、その人の体質や状態を「証(しょう)」と呼び、この「証」に基づいて治療方針を決定します。
ここでは、代表的な8つの「証」について、それぞれの特徴、原因、改善のポイント、おすすめの漢方薬(一般的な名称)をご紹介します。
ただし、繰り返しになりますが、漢方薬は必ず専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)に相談し、あなたの体質や症状に合ったものを選んでもらってください。
漢方の基本:「気・血・水」とは?





漢方って、『気・血・水』とか、難しい言葉が多くてよく分からない…
各証の説明に入る前に、「気・血・水」について、簡単に復習しておきましょう。
漢方の基本概念:体は「気・血・水」で構成されている
要素 | 働き | 不足・滞るとどうなるか? |
気 | 生命エネルギー。体を温め、動かす原動力。目に見えない。 | 気虚(不足): 疲れやすい、だるい、元気がない 気滞(滞り): イライラしやすい、ストレスを感じやすい |
血 | 血液とその働き。全身に栄養を運び、潤す。精神活動の安定にも関わる。 | 血虚(不足): めまい、立ちくらみ、顔色が悪い 瘀血(滞り): 肩こり、頭痛、生理痛 |
水 | 血液以外の体液(リンパ液、涙、汗など)。体を潤し、老廃物を排出する。 | 水滞(滞り)/水毒/痰湿: むくみ、冷え 津液不足(不足): 肌の乾燥、口の渇き |



これらのバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。
気虚(ききょ)証



いつも疲れていて、元気が出ない…。もしかして、私って『気虚』?
特徴(症状、体質など)
- 疲れやすい、だるい
- 元気がない、やる気が出ない
- 食欲がない、胃腸が弱い
- 風邪をひきやすい
- 汗をかきやすい
- 声が小さい、息切れしやすい
- 食後、眠くなる
- 立ちくらみしやすい
原因
- 先天的な体質(虚弱体質)
- 過労、睡眠不足
- 不規則な生活
- 偏食、ダイエット
- 加齢
- 慢性疾患
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 米、イモ類、豆類、かぼちゃ、きのこ類、鶏肉、牛肉、鮭、うなぎ、ナツメ、はちみつ
- 調理法: 煮込み料理、蒸し料理など、消化しやすい調理法がおすすめ。
- ポイント: よく噛んで食べる。温かいものを食べる。
- 生活習慣:
- 十分な睡眠をとる(7~8時間)。
- 規則正しい生活を送る。
- 適度な運動をする(ウォーキング、ヨガなど)。
- ストレスを溜めない。
- 過労を避ける。
おすすめの漢方薬(一般的な名称)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 比較的体力がない方の、疲労倦怠感、食欲不振、寝汗、かぜなどに用いられることがあります。
- 六君子湯(りっくんしとう): 比較的体力がない方の、胃腸虚弱、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢などに用いられることがあります。
血虚(けっきょ)証



肌や髪が乾燥して、めまいもする…。これって『血虚』?
特徴(症状、体質など)
- めまい、立ちくらみがある
- 顔色が悪い、血色がない
- 肌が乾燥しやすい
- 爪がもろい、割れやすい
- 髪がパサつく、抜け毛が多い
- 目が疲れやすい、かすむ
- 生理不順、経血量が少ない
- 動悸がする
- 冷え性
原因
- 偏食、ダイエット
- 胃腸虚弱
- 出血(生理、出産、手術など)
- 慢性疾患
- 過労
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: レバー、赤身肉、魚介類、ほうれん草、ひじき、黒豆、黒ごま、黒きくらげ、ナツメ、プルーン、レーズン
- 調理法: 鉄鍋を使うと、鉄分を補給できる。
- ポイント: ビタミンCと一緒に摂ると、鉄分の吸収率がアップする。
- 生活習慣:
- 十分な睡眠をとる。
- 過度なダイエットは避ける。
- 目を酷使しない。
- 適度な運動をする。
- ストレスを溜めない。
おすすめの漢方薬
- 四物湯(しもつとう): 比較的体力がない方の、皮膚の乾燥、冷え症、貧血、月経不順などに用いられることがあります。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 比較的体力がない方の、冷え症、貧血、倦怠感、月経不順、むくみなどに用いられることがあります。
陰虚(いんきょ)証



手足がほてるし、寝汗もかく…。乾燥肌だし、もしかして『陰虚』?
特徴(症状、体質など)
- 手足がほてる、のぼせる
- 寝汗をかく
- 口や喉が渇きやすい
- 肌が乾燥しやすい
- 便秘がち
- 痩せ型
- イライラしやすい
- 熟睡できない
原因
- 加齢
- 慢性疾患
- 過労、睡眠不足
- ストレス
- 辛いもの、熱いもの、アルコールの摂りすぎ
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 白きくらげ、百合根、れんこん、梨、ぶどう、豆腐、豆乳、牛乳、豚肉
- 調理法: 蒸し料理、煮込み料理など、水分を多く含む調理法がおすすめ。
- ポイント: 辛いもの、熱いもの、アルコールは控える。
- 生活習慣:
- 十分な睡眠をとる。
- 激しい運動や長時間の入浴は避ける。
- ストレスを溜めない。
- 寝室を涼しく、暗くする。
おすすめの漢方薬(一般的な名称)
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん): 比較的体力がない方の、排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみなどに用いられることがあります。
- 知柏地黄丸(ちばくじおうがん): 比較的体力がない方の、顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみなどに用いられることがあります。
陽虚(ようきょ)証



いつも体が冷えていて、寒がり…。これって『陽虚』?
特徴(症状、体質など)
- 冷え性、寒がり
- 手足が冷たい
- 疲れやすい、だるい
- むくみやすい
- 下痢しやすい
- 頻尿、尿漏れ
- 風邪をひきやすい
- 食欲がない
- 顔色が白い
原因
- 先天的な体質(虚弱体質)
- 加齢
- 慢性疾患
- 冷たいものの摂りすぎ
- 運動不足
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 生姜、にんにく、ネギ、ニラ、かぼちゃ、鶏肉、羊肉、エビ、シナモン、山椒
- 調理法: 温かい料理、鍋料理、煮込み料理などがおすすめ。
- ポイント: 冷たい飲み物、生野菜、果物は控える。
- 生活習慣:
- 十分な睡眠をとる。
- 適度な運動をする(ウォーキング、ヨガなど)。
- 体を温める(服装、入浴など)。
- 冷暖房の使いすぎに注意する。
おすすめの漢方薬(一般的な名称)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん): 比較的体力がない方で、特に下半身の冷えがある方の、排尿困難、頻尿、腰痛、しびれなどに用いられることがあります。
- 真武湯(しんぶとう): 体力虚弱で、冷えがある方の、下痢、腹痛、めまい、動悸、むくみなどに用いられることがあります。
気滞(きたい)証



ストレスがたまると、すぐ体調が悪くなる。おなかも張りやすいし、これって「気滞」?
特徴(症状、体質など)
- イライラしやすい、怒りっぽい
- ストレスを感じやすい
- お腹が張る、ガスがたまる
- ゲップやおならが多い
- 胸や脇が張る
- 生理前に不調が出やすい
- ため息が多い 原因
- ストレス
- 環境の変化
- 不規則な生活
- 運動不足
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 香りの良い野菜(セロリ、みょうが、しそなど) 柑橘類 ハーブティー
- ポイント: 食事はリラックスできる環境で よく噛んで食べる
- 生活習慣:
- 軽い運動をする
- 趣味やリラックスできる時間をもつ
- 休息をしっかりとる
- ぬるめのお風呂に入る
おすすめの漢方薬
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):比較的体力がない方の、冷え症、虚弱体質、月経不順、更年期障害などに用いられることがあります。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):体力中程度以上の方の、精神不安、不眠、動悸、便秘などに用いられることがあります。
瘀血(おけつ)証



肩こりや生理痛がひどくて、顔色も悪い。これって「瘀血」?
特徴(症状、体質など)
- 肩こり、頭痛
- 生理痛が重い、経血にレバー状のかたまりが混じる
- シミ、くすみ、クマができやすい
- あざができやすい
- 手足の先が冷える
- 舌の色が暗い、紫がかっている
- 皮膚が乾燥してカサカサ
原因
- ストレス
- 冷え
- 不規則な生活
- 運動不足
- 外傷、手術
- 出産
改善のポイント(食事、生活習慣)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 玉ねぎ、にら、にんにく、らっきょう、青魚 黒豆、黒砂糖
- ポイント 香辛料を適度にとる 温かいものをとる
- 積極的に摂りたいもの: 玉ねぎ、にら、にんにく、らっきょう、青魚 黒豆、黒砂糖
- 生活習慣:
- 軽い運動
- マッサージ
- 湯船につかる
- 締め付けのきつい下着は避ける
おすすめの漢方薬
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力がある方の、月経不順、更年期障害、肩こり、しみなどに用いられることがあります。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):比較的体力がない方の、冷え症、貧血、倦怠感、月経不順、むくみなどに用いられることがあります。
痰湿(たんしつ)証



体が重だるくて、むくみやすい。雨の日は特に調子が悪い。これって「痰湿」?
特徴(症状、体質など)
- 体が重だるい
- むくみやすい
- 痰が多い
- 鼻水、鼻づまり
- 雨の日に体調が悪くなる
- 吐き気、食欲不振
- 下痢しやすい
- 肥満傾向
原因
- 暴飲暴食
- 味の濃いもの、脂っこいもの、甘いものの摂りすぎ
- 水分の摂りすぎ
- 運動不足
- 湿気の多い環境
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: ハトムギ、小豆、とうもろこし、緑豆 大根、きゅうり、冬瓜
- ポイント: 油もの、甘いもの、味の濃いものを控える 冷たいものを控える
- 生活習慣:
- 適度な運動
- 除湿
- 湯船につかる
おすすめの漢方薬
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):体力中程度以下の方の、多汗症、むくみ、関節痛などに用いられることがあります。
- 二陳湯(にちんとう):比較的体力がある方の、胃炎、気管支炎、悪心、嘔吐などに用いられることがあります。
湿熱(しつねつ)証



体に熱がこもりやすくて、汗をかくとベタベタする…。ニキビもできやすいし、これって『湿熱』?
特徴(症状、体質など)
- 体に熱がこもりやすい
- 口が苦い、粘る
- 汗をかくとベタベタする
- ニキビ、吹き出物ができやすい
- おりものが多い、臭いが気になる
- 尿の色が濃い、臭いが強い
- 便秘がち、または下痢しやすい
- イライラしやすい
原因
- 高温多湿の環境
- 脂っこいもの、甘いもの、味の濃いもの、アルコールの摂りすぎ
- ストレス
- 過労
改善のポイント(食事、生活習慣など)
- 食事:
- 積極的に摂りたいもの: 緑豆、春雨、きゅうり、トマト、冬瓜、スイカ、緑茶
- 調理法: さっぱりとした味付けにする。
- ポイント: 脂っこいもの、甘いもの、味の濃いもの、アルコールは控える。
- 生活習慣:
- 十分な睡眠をとる。
- ストレスを溜めない。
- 適度な運動をする。
- 風通しの良い服装をする。
- 高温多湿の環境を避ける。
おすすめの漢方薬
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう): 比較的体力がある方の、排尿痛、残尿感、おりもの、陰部のかゆみなどに用いられることがあります。
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう): 比較的体力がある方の、のぼせ、ほてり、イライラ、不眠などに用いられることがあります。
【重要】
ここに挙げた漢方薬は、あくまで一般的な例であり、同じ「証」でも、体質や症状によって、合う漢方薬は異なります。必ず、漢方専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)に相談し、あなたに合った漢方薬を選んでもらってください。自己判断での服用は、思わぬ副作用を招く可能性があります。
【証別】不調を改善!漢方薬以外のセルフケア





漢方薬も気になるけど、まずは自分でできることから始めたい! 食事や睡眠、運動…体質に合ったセルフケアの方法を知りたい!
漢方薬は体質改善の強い味方ですが、日々の生活習慣も非常に重要です。
ここでは、あなたの「証」に合わせたセルフケアの方法を、食事、睡眠、運動、ツボ押し、アロマテラピーの5つの側面からご紹介します。
漢方薬と併せて実践することで、より効果的に不調を改善し、健やかな毎日を目指しましょう!
食事:体質別おすすめ食材、レシピ



私の体質には、どんな食べ物が合うの? 簡単に作れるレシピも知りたい!
漢方では、「医食同源」という言葉があるように、食事は健康の基本と考えられています。
あなたの「証」に合わせた食材を積極的に摂り、体の内側からバランスを整えましょう。
証 | おすすめ食材 | 避けたい食材 | 簡単レシピ例 |
気虚証 | 米、イモ類、豆類、かぼちゃ、きのこ類、鶏肉、牛肉、鮭、うなぎ、ナツメ、はちみつ | 生もの、冷たいもの、脂っこいもの、味の濃いもの | 鶏肉とナツメの参鶏湯風スープ: 鶏肉、ナツメ、生姜、ネギなどを煮込んだ、体を温め、気を補うスープ。 |
血虚証 | レバー、赤身肉、魚介類、ほうれん草、ひじき、黒豆、黒ごま、黒きくらげ、ナツメ、プルーン、レーズン | 冷たいもの、生もの、刺激物 | ほうれん草とひじきの和え物: 鉄分、ミネラルが豊富で、血を補う。 |
陰虚証 | 白きくらげ、百合根、れんこん、梨、ぶどう、豆腐、豆乳、牛乳、豚肉、白ごま | 辛いもの、熱いもの、アルコール、カフェイン | 白きくらげと梨のコンポート: 体を潤し、熱を冷ますデザート。 |
陽虚証 | 生姜、にんにく、ネギ、ニラ、かぼちゃ、鶏肉、羊肉、エビ、シナモン、山椒 | 冷たい飲み物、生野菜、果物(特に南国フルーツ) | 鶏肉と根菜のしょうが煮: 体を温め、消化を助ける。 |
気滞証 | 香りの良い野菜(セロリ、みょうが、しそなど)、柑橘類、ハーブ類 | 脂っこいもの、味の濃いもの、甘いもの | 鶏むね肉とセロリのハーブ蒸し: 気の巡りを良くし、リラックス効果も。 |
瘀血証 | 玉ねぎ、にら、にんにく、らっきょう、青魚、黒豆、黒砂糖、酢 | 冷たいもの、脂っこいもの、甘いもの | イワシの梅煮: 血行を促進し、瘀血を改善するサポート。 |
痰湿証 | ハトムギ、小豆、とうもろこし、緑豆、大根、きゅうり、冬瓜、海藻類 | 油もの、甘いもの、味の濃いもの、乳製品、冷たいもの | ハトムギと野菜のスープ: 体内の余分な水分を排出する。 |
湿熱証 | 緑豆、春雨、きゅうり、トマト、冬瓜、スイカ、緑茶 | 脂っこいもの、甘いもの、味の濃いもの、アルコール、香辛料 | 緑豆春雨サラダ: 体の余分な熱と湿気を取る。 |
睡眠:質の良い睡眠をとるコツ



不調の原因が睡眠不足かも…。質の良い睡眠をとるには、どうすればいいの?
良質な睡眠は、心身の健康に不可欠です。
特に、漢方では「気・血・水」のバランスを整える上で、睡眠は非常に重要な役割を果たすと考えられています。
質の良い睡眠をとるためのコツ
- 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に寝起きし、体内時計を整える。
- 就寝前のリラックス:
- ぬるめのお風呂(38~40℃)にゆっくり浸かる。
- ストレッチやヨガで体をほぐす。
- アロマテラピー(下記参照)。
- 心を落ち着かせる音楽を聴く。
- 寝室環境:
- 暗く、静かで、涼しい環境。
- 寝具は清潔に保ち、肌触りの良いものを選ぶ。
- 就寝前のNG行動:
- カフェイン、アルコールの摂取。
- スマートフォン、パソコン、テレビなどの強い光。
- 激しい運動。
- 考え事。
- 日中に適度な運動をする。
- 朝起きたら、太陽の光を浴びる。
運動:体質別おすすめエクササイズ



運動不足は体に良くないのは分かるけど、どんな運動をすればいいの? 体質によって、合う運動って違うの?
適度な運動は、血行を促進し、「気・血・水」の巡りを良くする効果が期待できます。
あなたの体質に合った運動を取り入れてみましょう。
証 | おすすめエクササイズ |
気虚証 | ウォーキング、ヨガ、太極拳など、ゆったりとした運動。激しい運動は避ける。 |
血虚証 | ウォーキング、ヨガ、ストレッチなど、血行を促進する運動。 |
陰虚証 | ヨガ、ピラティス、水泳など、体に熱がこもりにくい運動。 |
陽虚証 | ウォーキング、ジョギング、ラジオ体操など、体を温める運動。 |
気滞証 | ウォーキング、ジョギング、ダンス、ヨガなど、体を動かすことでストレスを発散できる運動。 |
瘀血証 | ウォーキング、ストレッチ、ヨガなど、血行を促進する運動。 |
痰湿証 | ウォーキング、ジョギング、水泳など、有酸素運動で汗をかく。 |
湿熱証 | 水泳、ヨガなど、体に熱がこもりにくい運動。 |
ツボ押し:体質別おすすめのツボ



ツボ押しって、本当に効果あるの? どこを押せばいいのか分からない…
ツボ押しは、血行を促進し、「気・血・水」の巡りを整える効果が期待できる、手軽なセルフケアです。
あなたの体質に合ったツボを刺激してみましょう。
(ここに、各証におすすめのツボを、イラスト付きで2~3個ずつ紹介)
- 気虚証: 足三里(あしさんり)、気海(きかい)
- 血虚証: 三陰交(さんいんこう)、血海(けっかい)
- 陰虚証: 太谿(たいけい)、三陰交
- 陽虚証: 関元(かんげん)、命門(めいもん)
- 気滞証: 太衝(たいしょう)、膻中(だんちゅう)
- 瘀血証: 血海(けっかい)、膈兪(かくゆ)
- 痰湿証: 豊隆(ほうりゅう)、陰陵泉(いんりょうせん)
- 湿熱証: 曲池(きょくち)、陰陵泉
ツボ押しのポイント
- リラックスした状態で行う。
- 痛気持ちいいと感じる程度の強さで押す。
- 各ツボを3~5秒かけてゆっくり押し、ゆっくり離す。
- 1日に数回、毎日続ける。
アロマテラピー:体質別おすすめアロマオイル



アロマって、リラックス効果だけじゃないの? 体質によって、合う香りって違うの?
アロマテラピーは、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)の香りを使って、心身のバランスを整える自然療法です。
あなたの体質に合ったアロマオイルを選んで、リラックス&体質改善を目指しましょう。
証 | おすすめアロマオイル |
気虚証 | ローズマリー、レモングラス、ジュニパーベリー、ジンジャー |
血虚証 | ゼラニウム、ローズ、イランイラン、クラリセージ |
陰虚証 | ラベンダー、カモミール、サンダルウッド、ネロリ |
陽虚証 | ジンジャー、シナモン、ローズマリー、スイートオレンジ |
気滞証 | ラベンダー、カモミール、ベルガモット、オレンジスイート |
瘀血証 | ローズマリー、ジュニパーベリー、ゼラニウム、ラベンダー |
痰湿証 | グレープフルーツ、レモン、ジュニパーベリー、サイプレス |
湿熱証 | ティートリー、ペパーミント、ユーカリ、レモン |
アロマオイルの使い方
- 芳香浴: アロマディフューザーやアロマランプで香りを拡散させる。
- アロマバス: バスタブに数滴垂らす。
- アロママッサージ: キャリアオイル(ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなど)で希釈してマッサージする。
- ハンカチ、ティッシュ: 数滴垂らして、持ち歩く。
注意点
- 原液を直接肌につけない。
- 飲用しない。
- 妊娠中・授乳中の方、持病のある方は、医師または専門家に相談する。
- 3歳未満の乳幼児には使用しない。
- ペットのいる空間での使用は注意する。
証が複数あてはまる場合は? 漢方専門家への相談のススメ





セルフチェックをやってみたけど、複数の証に当てはまる気がする…。結局、私はどのタイプなの? 漢方薬はどうやって選べばいいの?
ご安心ください。 複数の証に当てはまるのは、決して珍しいことではありません。
人間の体は複雑で、様々な要素が絡み合っているため、一つの証だけで説明できることは少ないのです。
複数の証に当てはまる場合
- 複合的な体質:
- 漢方では、複数の証が組み合わさっている状態を「〇〇証と△△証」のように表現することがあります。
- 例えば、「気虚証」と「血虚証」の両方に当てはまる場合は、「気血両虚(きけつりょうきょ)」と診断されることがあります。
- 証の変化:
- 体質や症状は、常に変化しています。
- 季節、環境、生活習慣などによって、証が変わることもあります。
- セルフチェックの限界:
- セルフチェックは、あくまで簡易的なものです。
- 正確な証の判断は、専門的な知識と経験が必要です。
漢方専門家への相談のススメ
複数の証に当てはまる場合や、自分の証がよく分からない場合は、漢方専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)に相談することを強くおすすめします。
専門家に相談するメリット
- 正確な体質診断(証の決定):
- 四診(望診、聞診、問診、切診)と呼ばれる漢方独自の診察法で、あなたの体質や症状を詳しく把握し、正確な「証」を決定します。
- 最適な漢方薬の選定:
- あなたの「証」に合った漢方薬を、数ある中から選んでくれます。
- 複数の証が組み合わさっている場合でも、適切な処方を提案してくれます。
- オーダーメイドの治療:
- あなたの体質や症状の変化に合わせて、漢方薬の種類や量を調整してくれます。
- 服薬指導:
- 漢方薬の正しい飲み方、注意点などを詳しく説明してくれます。
- アフターフォロー:
- 服用後の経過を観察し、必要に応じて漢方薬の変更や調整をしてくれます。
- 生活習慣のアドバイス:
- 食事、睡眠、運動など、あなたの「証」に合わせた生活習慣のアドバイスも受けられます。
相談先
- 漢方薬局(漢方相談薬局): 薬剤師や登録販売者が、相談に乗ってくれます。
- 漢方医(漢方専門医): 医師が、漢方医学の知識に基づいて診察し、漢方薬を処方します。(保険診療の場合あり)
- 病院・クリニック: 一部の病院やクリニックでは、漢方外来を設けているところもあります。
まとめ:自分の「証」を知り、漢方で健やかな毎日を!



漢方って、奥が深い! でも、自分の体質を知って、それに合ったケアをすれば、長年の不調も改善できるかもしれない…!
この記事では、漢方の基本的な考え方である「証」について解説し、代表的な8つの証(気虚、血虚、陰虚、陽虚、気滞、瘀血、痰湿、湿熱)の特徴、原因、改善策、おすすめの漢方薬(一般的な名称)をご紹介しました。
この記事のまとめ
- 漢方では、その人の体質や状態を「証」と呼び、「証」に基づいて治療方針を決定する。
- 同じ症状でも、「証」が異なれば、選ぶべき漢方薬も異なる。
- 自分の「証」を知ることで、自分に合った漢方薬や生活習慣を選び、より効果的に不調を改善できる。
- セルフチェックはあくまで目安であり、正確な「証」の判断は、漢方専門家に相談することが大切。
今日からできること
- セルフチェックで、自分の「証」のタイプを把握する。
- 気になる「証」があれば、さらに詳しく調べてみる。
- 漢方専門家(漢方医、漢方薬局の薬剤師など)に相談し、正確な「証」を診断してもらう。
- 自分に合った漢方薬を選んでもらい、用法・用量を守って服用する。
- 食事、睡眠、運動など、生活習慣を見直し、体質改善を目指す。
漢方は、あなたの体質に寄り添い、体の内側からバランスを整えることで、様々な不調を改善するサポートをしてくれます。
ぜひ、漢方の知恵をあなたの健康づくりに役立ててください。 そして、自分の「証」を知り、自分に合ったケアを実践することで、健やかで充実した毎日を送りましょう!